「東大発2012」は、中原と重田先生で実施した駒場での授業です。「学生が自らメディアをつくること」を経験するプログラムであり、大学の早い時期から、「社会につながるメディア創造経験」をすることを試みています。

 学生は「働く」をテーマに、有識者にアポをとり、インタビューを行い、グループで討論し、テキストを書き、ビデオを編集し、電子書籍をつくります。

 アポをとることから、一苦労です。全く「なしのつぶて」であることもあります。また、社会人の時間意識にも驚きます。「社会人にとって、時間とはリソースであり、10分・20分でもコストを払ってくれているのだ」ということに気づくグループもあります。そういうひとつひとつが、学生にとっては驚きであることが多いのです。

 僕と重田先生の中で、この授業は「キャリア教育と言わないキャリア教育」だとも思っています。キャリアの専門家ではないので、詳細はよく知りませんが、私たちはそう考えています。

 記事を書くためには、先達の仕事人たちのキャリアを「聴く」だけではすみません。いったん、先達のキャリアを聴いたうえで、原稿を校正するためには、自分たちの将来・キャリアのあり方を見直さざるを得なくなります。
 また、それを「個」に閉じるのではなく、社会に公開することで、さらに様々なコメントを友人などからもらうことができるでしょう。

 「自ら発信すること」で「自らのキャリア」を考える

 これがめざすべきことです。そこには、単に、先達の仕事の苦労を講演会形式で聴く、といったこと以上の価値が、含まれると考えています。

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